消費税増税
今回は消費税増税について書いていきたいと思います。
既にご存じの通り、参院で消費税増税法案が可決されています。法案では、消費税収は社会保障目的税化とされることが明確化され、増税の実施日や税率は以下のようになっています。
2014 年4月1日より・・・8%(国税6.3%、地方消費税1.7%)、
2015 年10 月1日より・・・10%(国税7.8%、地方消費税2.2%)
所得の少ない家計ほど、食料品など消費支出の割合が高いために、消費税負担率も高くなるという、「逆進性の問題」については、2015 年度以降のマイナンバー法の実施、社会保障制度の見直し、所得控除の抜本的な整理とあわせ、総合合算制度や給付付き税額控除等、再分配に関する総合的な施策を導入が予定されているとのことです。また、中小事業者の事務負担等を踏まえ、いわゆるインボイス制度の導入は行わないこととなっています。
軽減税率、いわゆる複数税率については今回の改革ではとりあえず見送られました。
これはとても良いことだと思います。
例えば食料品に軽減税率が導入された場合、フォアグラや松坂牛などのぜいたく品にも軽減税率を導入して良いのか?などの線引きが難しいという問題が生じること、高所得者により多くの軽減効果が見込まれること、税収増を狙った増税なのに、標準税率で仕入れて軽減税率で売り上げるという業種は還付申告となること、事業者の負担が増すことなどから、単一税率の維持がのぞましいと思うからです。
所得控除の整理はどのように行われるのか、低所得者への年金加算、介護保険料・国民健康保険料の軽減措置などはどのように実施されるのかなど社会保障と税の一体改革については課題が山積みです。社会保障の財源がないことを考えると増税もやむなしですが、無駄がまだまだあるわけですし、使途をもっと考えて大事に生かしてほしいものです。
そして今回の改正では段階的な引上げとなるため、中小企業の現場では混乱が予想されます。
価格表示に関する「総額表示」の義務付けについては、引き続き維持するものとされていますが、なんといっても税率があがった一年半後にもう一度税率があがるわけです。事務的に大変になるだろうな~と私も頭を悩ませているところです。他にも取引上の力関係を利用して、下請さんからの消費税転嫁要請を一方的に拒否するなどの不公正な取引も予想されます。このような取引が行われることなく適正な税の転嫁が行われるよう、対策を講じてほしいものです。
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2012年8月24日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:消費税